銀高
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「俺にはもう時間がない」
高杉がそう言ったのはどのくらい前のことだっただろう。
あれからほんの少し時間が流れただけの気もするし、
ずっと遠い昔の出来事だったようにも思う。
だとしたら、彼に残された時間はあの時よりもずっとずっと短くなってしまっているだろうに。
(どうして俺に会いに来ない)
胸の内で、強くそう思う。それは焦燥だ。
この想いを高杉が聞けば、
どうして俺が会いに行かなくちゃならんねーんだと憤慨するか、
或いは俺をバカにしたように笑うだろう。
どちらでも良い。どちらでも良いから俺は、その姿が早く見たい。
お前に残された時間が短いというのなら、その時間の中でいくつかの俺を残したい。
俺を斬りつけて、俺を滲ませて、俺で濁らせたい。
だから会いに来い、高杉。
わずかな時間だけでも俺は俺で俺に塗れるために。ああ早く。
「「俺にはもう時間がないのに」」
*****
君にとって少しだけつらい話をしてあげよう。
つらくなるから、話している間に僕は泣き出してしまうかも知れない。
そのことで困らせてしまったらごめんね。
でも僕はこの話を君に聞かせなくてはいけないんだ。
「死ぬ前に会いたい」と思う銀さんと「死ぬまで会いたくない」と思う高杉も
良いと思うんですよね…思うんですよね、っていうか良いですよね…
そんなすれ違い…すれ違ってこその銀高…!
まあ時間がないのは私の方なんですけれども、ね!
原稿の締切とよく相談してみたら普段の6倍くらいのペースで描かなくちゃ
間に合わないことに気付いてもう絶望してるので銀高書いちゃいました。
とりあえず最後まで粘ります…だってまだ一カ月あるもの…
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