■折兎掌編
触れられたのがいけなかった。
戯れに僕の腹をするりと撫でていった指先がいけなかった。
整えられた爪先の美しさが。思いがけない柔らかさが。
それらほとんど全ての刺激が、僕をどうしようもなくさせてしまう。
楽しさを滲ませた瞳も、それに合わせてふわりと揺れた金の髪も。
ああ、挙げていけばキリがない。
つまりは、そんなにも僕を揺さぶる存在であることを自覚しない彼が簡単な遊び心でもって僕に触れたことが、やはりいけなかったのだろう。
触れられた箇所が熱い。
腹筋をなぞっていった指の感触を思い出すことは簡単で、忘れることは困難だ。
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絵は一年前?に描いたやつですが…!
今年は冬コミを諦めたので折兎を描く機会が来年に持ち越しです><
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